ガバナーについて

前回のタービンポンプ、真空ポンプ、止水弁に続きまして、今回は可搬消防ポンプに無くてはならないが日陰の存在でもある「ガバナー」のお話をしたいと思います。

1. 役割り

ガバナー(Governor)とは、日本語で調速機です。つまりポンプの運転中に負荷変動があっても、エンジンの回転数を一定の範囲に保持するための機構で、簡単に言えばエンジンのオーバーランを防止するための保護装置と放水時のエンジン回転数を安定させる装置です。

2. 保護装置として働く例

放水運転中、水利の水が不足し放水できなくなった場合、エンジンにかかる負荷がなくなりエンジン回転数が上がりますが、スロットルダイヤルを戻さなくてもガバナーにより一定回転に押さえられます。つまりポンプのスロットルダイヤルは、車やオートバイのアクセルと異なり直接キャブレターのスロットルに連絡している訳ではないのです。

3. 構造

ガバナーの作動は、気化器のスロットルバルブを開く方向に働くガバナースプリング(スロットルダイヤルに付いている)と、エンジン回転数によって得られるガバナーウエイトの遠心力を逆方向に働かせ、これをバウンスさせることにより任意の回転数に安定させようとするもので(図1)ガバナーウエイトは、エンジン回転が上がると遠心力により図2から図3のように外側に広がろうとします。この作動がスライダーに伝わり、ガバナーアームからシャフトの回転により、ガバナーレバー部でスプリングとバランスする力となります。すなわち、負荷が大きくなりエンジン回転数が下がると遠心力が小さくなるため、スプリングの張力によりスロットルバルブが開き回転数が上がる。また回転が上がりすぎると遠心力が大きくなり、スロットルバルブが閉じる方向に作動して回転を下げ、バランスのとれたところで安定する仕組みになっています。

4. 消防ポンプ規定

ガバナーの作動には次のような厳しい規定があることも頭のスミに入れておいてください。高圧放水運転中、急激に無負荷状態にした場合において次の規格によること。

  • 機関の瞬時最高回転速度が定格回転速度(*)の120%(D-1級及びD-2級にあっては130%)以内であること。
  • 機関の静定回数速度が定格回転速度の110%(D-1級及びD-2級にあっては120%)以内であり、かつ当該静定回転速度の変動幅が定格速度の10%以内であること。
    (*)定格回転速度......全負荷状態で8時間、連続放水運転で耐久テストを行った回転速度。

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